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【反論なき討論】焼き鳥の串を外すのは是か非か?【採点結果】

「焼き鳥は串のままかぶりつくのか?はたまた串から皿に取り分けるべきか」

居酒屋に通う全国の焼き鳥ファンにとっては永遠の問いと言えるでしょう!

この是非をめぐって二人の哲人が討論する、いわば哲学の異種格闘技が繰り広げられようとしています。

わたくし、ミネルバのフクロウはこの戦いの名誉ある採点者を仰せつかりました。

どのような展開を見せるのか?早速のぞいてみることにしましょう!

(※以下テーマ①テーマ⑤までについて個別に見ていきます。採点だけ見たい方はテーマ⑤の下、採点の見出しをご覧ください)

討論のルール、詳細はコチラ

テーマ① 「居酒屋で焼き鳥を串から外して皿に盛るのは是か非か」

 

智葉さんの主張 焼き鳥は串からバラせ!

智葉さんの主張はコチラ

アリストテレス学派を代表する智葉さんは、このテーマについて是、つまり肯定的に論じられます。

理由は以下の3点。

  1. 最大多数の最大幸福の実現
  2. 過痛の最小化
  3. 遠慮の一つ回避

 

焼き鳥を串からバラすことは功利主義に適うという大胆な主張です。

こうすることで、誰もが多くの部位を食べることができる。そして、苦手な部位があってもシェアすることができる。さらには、食べ残しも減り、店もうれしいという全方向ハッピーな提案です。

なるほど大胆ながら、理に適っていると思います。

エイさんの主張 串から外さず、礼をつくす。これぞ仁

エイさんの主張はコチラ

これに対してエイさんは非、つまり串から外さず食べることを薦めます。

どんな理由かな…と思って見ていくと、現れた文字はなんと儒教の仁!

焼き鳥を最も旨く食べる方法は、串のまま食べること。それだけでなく、串のまま食べることは作り手に対する礼であり、仁の表現と説かれています。

感想と採点

功利主義の智葉さんと儒教思想のエイさん。

どちらもなるほどとうならせる素晴らしい主張でしたが、エイさんの礼から仁への展開は、私の浅はかな予想を超えた見事なものでした。

また、出典を示されているところも良かったと思います。

よって、テーマ①の採点は、

智葉さん 9ポイント

エイさん 10ポイント

と致します!

テーマ② 「薬味との付き合い方」

智葉さんの主張

智葉さんの主張

智葉さんは、薬味については基本的にはその店の味をそのままいただくことがよい、とされています。

そして焼き鳥が塩の場合とタレの場合に分け、塩の場合は七味、タレの場合は山椒を提案されています。

食欲の向上、薬味によるキャラ変、売り上げ貢献という恩返しという視点もユニークで面白いものでした。

エイさんの主張

エイさんの主張

エイさんは、様々な薬味があるものの、先ずはお店におススメを聞き、それに従うことを推奨されます。そして、これこそが儒教のいう「礼」に適うと主張されます。

その次に、食べる人に視点を移し、自分にあった薬味を探し当てることがよいと主張されます。

ここでは、中国の古典「中庸」を引かれています。

感想と採点

このテーマについて、大まかには両者とも同じ主張をされているようです。

違いとして、智葉さんは主張を広く展開し、エイさんは深く追求しているような印象を受けました。

またまた、採点の難しいところですが、限られた字数の中、様々な視点を入れられた智葉さんの広さを採ることにしました。

よって、テーマ②の採点は、

智葉さん 10ポイント

エイさん 9ポイント

と致します!

いやー、採点本当に難しいぞ(困)

テーマ③ 「最適なサイドメニューと注文のタイミング」

智葉さんの主張 着席と同時にトマトを頼め!

智葉さんの主張

次のテーマは最適なサイドメニューについて。その注文タイミングまで考慮に入れなければなりません。

智葉さんは、着席と同時に冷やしトマトを頼めとの主張。

理由は、

1,本番の焼き鳥の前の準備体操

2,食後のクールダウン

3,リコピンでお酒のケア

の3点です。

エイさんの主張 漬物で口をサッパリに 最後の一切れで注文せよ

エイさんの主張

エイさんの主張は、口直しの漬物です。注文は最後の漬物が最後の一切れとなったとき。

串一本に漬物一切れという食べ方も面白いかと思います。

漬物の口直しばかりでなく、生姜の抗菌作用や消化促進などにも言及されていて、漬物の深みを感じました。

感想と採点

漬物とトマト。どちらが良いかは好みの問題で、優劣をつけるものではないと言えそうです。

ということで、主張の裏付けに注目しました。

エイさんは孔子の「論語」から故事を引用し、より主張を深化させておられます。

一方の智葉さんは、トマトのリコピンに言及され、最新の栄養学を導入されています。

もう、どっちもすごいじゃん!と投げ出したくなりますが、場のお開きにまで目を配る智葉さんの主張を採りたいと思います。

よって、テーマ③の採点は、

智葉さん 10ポイント

エイさん 9ポイント

と致します!

テーマ④ 「自分の意見に相手の意見を取り入れる提案」

智葉さんの主張

智葉さんの主張

智葉さんは、自分の意見と相手の意見をただ対立させるのでなくアウフヘーベンし、より高次での統合を目指しました。

ヘーゲル弁証法の活用ですね。

多くの対話や討論に、この弁証法の発想は有用だと思います。

エイさんの主張

エイさんの主張

エイさんは、「お任せ串盛り合わせ」から社会的弱者の救済と、大きな理論の展開を見せてくれます。

江戸時代の儒学者荻生徂徠を引かれているのも、面白いですね。

感想と採点

自分の意見をただ主張するのではなく、相手の意見を取り入れて自らの主張を修正する。対話として大事なことだと思います。

智葉さんのアウフヘーベンは、このような発想を直接的に表したものと言えるでしょう。

エイさんも同様にお互いの主張をより高次で統合させるために、社会的弱者の救済について言及されました。

焼き鳥からここまで壮大なテーマに行きつくとは! 感動すら覚えます。

よって、テーマ④の採点は、

智葉さん 9ポイント

エイさん 10ポイント

と致します!

テーマ⑤ 「相手の意見に自分の意見を取り入れる提案」

智葉さんの主張

智葉さんの主張

智葉さんは、焼き鳥の串を外さないことのメリットを認めつつ、多様性やチームワークの観点を導入されています。

エイさんの主張

エイさんの主張

エイさんは、自らの主張の弱さを認めつつ、最初の一本に限定し、串を持つことを薦めています。言い換えれば、状況に応じて串から外すことに理解を示しつつ、絶対に抑えておきたい一点に光を当てているように見えます。

出典として「老子」に言及されています。

感想と採点

いよいよ最終ラウンド。

いわばこれまでの主張の総まとめとも言えるかも知れません。

智葉さんは、「最大多数の最大幸福」という功利主義をベースに、多様性やチームワークという観点を抑え、幅広い議論をみせてくれます。

エイさんは、東洋思想、特に儒教や老荘思想から社会的弱者の救済に言及し、議論に深みを与えておられます。

このテーマも全くの五分と五分に思え、もはやサイコロでも振りたい気持ちですが、最後まで一貫して東洋思想を掘り進めたエイさんを採りたいと思います。

よって、テーマ⑤の採点は、

智葉さん 9ポイント

エイさん 10ポイント

と致します!

採点(途中を読むのが面倒な方はコチラへ)

以下、採点結果をまとめております。

テーマ1

智葉さん 9ポイント

エイさん 10ポイント

テーマ2

智葉さん 10ポイント

エイさん 9ポイント

テーマ3

智葉さん 10ポイント

エイさん 9ポイント

テーマ4

智葉さん 9ポイント

エイさん 10ポイント

テーマ5

智葉さん 9ポイント

エイさん 10ポイント

 

以上です。

本当にお疲れさまでした!

 

 

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