今回のテーマは哲学の大型ホープ「弁証法」についてです!
「弁証法」と聞くとなんだか難しそう…と感じる人も多いかも。
でも、大丈夫です!
今回、わたくしミネルバのフクロウは、弁証法について、小さな頭を精一杯使って思いっきり分かりやすく解説してみました!
弁証法は哲学があみ出したとても便利な思考の技術で、ビジネスや日常生活などあらゆる場面で役に立ちます。
ぜひ、最後まで読んでみてください!
今回の内容はコチラ(目次です)
弁証法はビジネスや日常の多くの問題を解決してくれる!
問題解決やけんかの仲直りには「弁証法」が一番!ということは、哲学の世界だけではなく、ビジネスや日常生活の中でも割とよく聞かれるようになりました。この「弁証法」という言葉はビジネス書やニュースなどでも時々出てくるので、聞いたことのある人は多いと思います。少し古いですが、豊洲築地の移転問題で沸く2017年に、あの小池百合子東京都知事が記者会見で「これまでの議論をアウフヘーベンして・・・」なんて弁証法のややこしい言葉をあえて使い、国民を煙に巻く(?)という場面があったりしました。
ちなみに、小池都知事が「アウフヘーベン」という言葉を使ったことは、「は?何言ってんの?」的な批判があちこちから上がったようです。ただ、この言葉の意味がちょっとわかっていると、「あー、都知事の言おうとする意味はわかるけど、この場面で言うべきじゃないよね~」
とか
「んー、みんな意味が分からないって批判してるから、アタシが上から目線で解説してあげちゃおうかしら、フフッ」
なんてことも出来ちゃうわけなんです。
おまけに「弁証法」というのは、とても便利な「考え方の道具」であり、知っておいて決して損はないぞ
というわけで、これから、ややこしい「弁証法」という考え方について大胆かつザックリと書いてみようと思います。
弁証法を理解する必殺技 「カレーうどん」!?
「弁証法」とは何か。
一言で言うと「弁証法とはカレーうどんである」
いきなり何を言い出すか!といった感じですが、このことを理解するためにこんな場面を想像してみました。
初デートのAクンとBサン。2人で何か食べに行こう♪ということになった。Aクンは「ボクはカレーが食べたいな」と言う。でもBさんはなんと「アタシはうどんがいいワ」と思っている。絶体絶命である。
このようなとき、Aクンの立場としては「泣く泣くカレーをあきらめ、Bさんのうどんに付き合う」か、あるいは、「おれはうどんは食わねぇんだ」とムリヤリにココ○チに行き、Bサンから「あのときあなたはコ○イチに強引に連れて行って、うどんを食べさせてくれなかったワネ」と結婚後も恨まれ続けるかどちらかだろう。
これは、まさに弁証法を知らなかったがゆえの悲劇だと言えます。
ここまで読むともうおわかりでしょう。そう、まさに「弁証法とはカレーうどん」とはまさにこのことなんです。
AクンBサンがお互い自分の意見に固執するのではなく、「カレーもうどんも」という答えに至る道、それが「弁証法」なのです。
これは「自分の意見も相手の意見も大事にし、両方を踏まえた上で解決を考える」という考え方ですね。
もう少し詳しく見ていきましょう。
「カレーを食べたい」という意見と、これとは矛盾する「うどんがいい」という意見の2つがあります。この2つをともに大事にすることで「じゃあカレーうどんにしよう!」という答えにたどり着きます。
参考 武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
弁証法の図はカレーうどんで覚える!
カレーうどん(2人の希望)
↑
↑
(A君の希望)カレー →→→ (矛盾)←←←うどん(Bさんの希望)
いかがでしょうか。「弁証法」というものの概略はこれだけでOKです!
弁証法をちゃんとした図で理解する!
合
↑
↑
正→→→ (矛盾)←←←反
上にある「うどんの図」と同じですね。
さらに、上で書いた二つを統合し、より高い次元の答えに向かう動きのことを「止揚(しよう)または揚棄(ようき)」と言います。ドイツ語でアウフヘーベンです。このテーマの最初の方で書いた小池都知事の「アウフヘーベンして・・・」というのは、実はこのことを指しているんですね。
正と反を止揚して合に至るというのが弁証法という考え方の「型」です。
また、
対立がありつつも、自分を押し通すのでもなく、かといって相手に全てゆずって後でモヤモヤするのでもなく、両者を活かしつつより望しい結論を目指すという考え方の「心構え」とも言えます。
こうした考え方は、実はとても応用範囲も広いんです。カレー対うどんの対立以外にも、「リビングでは大きい音で音楽を楽しみたい!」夫と、「読書してるんだから静かにしてよね」という妻が居れば、「じゃぁヘッドホンでもつけようか」という解決もありますね。また、「そこの平野はうちの国の領土だ!オマエの国は入ってくるな」という国と「バカを言うな。ここはうちの国だ、トットと出て行け」という国同士の対立なんかでも、「じゃあ、ケンカにならないように、お互いから何人か管理者を出して、国連の指揮の下で治めよう」なんて解決が生まれます。ただし、実際にうまくいくかはちょっと別なはなしですが・・・
弁証法は、身近なゴタゴタから、国際問題まで実に応用範囲は広い。二千年以上の学究により鍛えられた
哲学の大型ホープ「弁証法」は、今日から思考の技術としてイチオシです。
新型コロナウィルス禍の中、弁証法でもう迷わない!
さて、それでは実際に弁証法はどのように使うのか、という実践をしてみます。
今、新型コロナのパンデミックの中、世界中が苦難と向き合っており、コロナと無関係だ!という人は世界中で1人もいないのではないでしょうか。
そして、このような大きな問題の場合には、必ず違う考え方が出て、対立や争いを生むのも世の常ですが、こういった対立を解消するために欠かせない思考法が弁証法なのです。
感染防止か経済優先か?
メディアやSNSなどで、「感染防止が最優先だ!」とか「いやいや、そんなことしたら経済がとまってしまう!」と日々さまざまなやりとりが繰り広げられています。
きっと、みなさんも「様々な意見」を持っているでしょう。
病気を防ぐためには、外出を制限したり業務を縮小したりすることが必要でしょう。しかし、経済も回していかないと、貧困が増えてしまいます。
医者や医学の立場の人は、まずは感染を抑えることに目を向けます。
そうかと思えば、ほぼ真逆の主張もあるのです。
こちらは経済を回さないといけないと述べています。
極端な意見より、様々な意見の良いところを取り入れるということじゃな。
様々な意見が出る中で、うっかり飛びついてしまうと、間違った道を歩むことは多くあります。
弁証法を頭の片隅に入れておくだけで、冷静に物事を見て、バランスのとれた考えに発展させることができるのです!