新型コロナウィルスの危機について、テレビ、新聞、webなどあらゆるメディアで連日報道されています。これほど大量のニュースが出回るのは2011年の東日本大震災以来かも知れません。大震災時は、日本中が沈痛のさなかでバラエティやCMも自粛され、当分は流されませんでした。
今回の新型コロナ危機は、報道自粛については大震災時ほどではありません。ですが、私自身は、この新型コロナ危機は大震災をはるかに凌駕する危機、かつての大戦に匹敵するか、もしかするとそれを超える危機だと思っています。人類の存亡にも関わる危機だとさえ危惧しています。
それでは、新型コロナ危機とは、実際にどのような程度なのでしょうか?今後どのように展開するのか?収束は?私たちがすべきことは何なのか?
今回は、このようなことを考えてみたいと思います。
今回の内容はコチラ(目次です)
この記事の基本スタンス
この記事を書いているのは、2020年4月1日です。まさかのエイプリルフール。本来なら少し遊びを入れたいところですが、ウソやデマは一切ナシです。この記事については、私見ではあるものの、信ぴょう性のある明確な根拠のみを採用し、論理的に、科学的に考えを進めることを、まず宣言しておきます。
「生物兵器説」や「感染100年周期説」などおもしろおかしい陰謀論や都市伝説などを聞くことも多いですが、このようなものについてはあまり触れません。都市伝説などを100%否定するわけではありませんが、その根拠は薄く、特に顧慮する必要はないかと思っています。そのため、そういったおもしろおかしさを求める人には、この記事はあまり興味のないものかも知れません。
また、youtubeやブログ記事などでは、いたずらに危機をあおるようなものもアップされているようです。そのような動画や記事は、再生数や読者を稼ぐ意図があるのかどうかはわかりませんが、人々の関心を呼び起こしやすい面はあるようです。しかし、この記事はそのような意図は一切ないことも、ここで明確に宣言しておきます。
新型コロナ危機の現状 今世界はどのような状況か
まず、現在の状況を簡単にまとめておきます。出典はいちいちは記しませんが、大体、政府やWHO(世界保健機構)など公的機関の発表、TVニュース、全国紙の情報によったものです。
日本と世界の感染者数と死者数は
第一に日本の感染者は2928名、死者は77名で、
世界での感染者は80万人超、感染者数の最大はアメリカ16万人超、イタリア10万人超、スペイン9万人超となっています。
世界の死者数はイタリア11591人、アメリカ3170人、スペイン7716人、中国本土3305人
3月11日にWHOが「パンデミック宣言」を出して以来、急速に拡大しています。
当初中国で感染拡大が起こりましたが、現在ではヨーロッパやアメリカが主戦場となっているようです。
感染拡大に直面している各国は「緊急事態宣言」を出し、国として特別の体制を敷いていくようになりました。
3月29日には超有名タレントの志村けんさんが亡くなったと報道され、日本中が悲しみに包まれました。私自身もど真ん中のドリフ世代で、志村けんを見ながら大人になっていったようなところがあります。志村けんさんの訃報は残念でなりませんでした。また、多くの人がそうだったように、志村けんさんが亡くなったことにより、新型コロナの危険が感覚的に身近に感じられるようになった気がします。
新型コロナ危機の今後 これから世界はどうなるのか
ここまで新型コロナの現状についてザっと見てきました。
それにしても、この危機はどのように収束するのでしょうか。東京オリンピックの開催が延期され、来年、2021年7月24日に決まりました。それまでに、収束し、無事オリンピックは開催できるのでしょうか。
それでは、ここからは今後新型コロナ危機がどうなるのか、考えてみたいと思います。
今後の状況は急速に悪化する
いきなり身も蓋もないようなことを言いますが、この新型コロナ危機の収束はかなり厳しいと思います。この記事の最初でも書きましたが、私は決して、いたずらに危機をあおるつもりはありません。ただ、様々なことを踏まえると、どう考えても簡単に収まるとは思えません。
「じゃあ、実際どうなるんだ」と言われそうですが、収束まで悪ければ数年、良くても1~2年かかるでしょう。今年中に収まるということは、万が一にもないと言えます。
世界中で感染者は、難しい予想ですが、順当に対策がうまくいって数百万人から1000万人超、悪ければ数千万人から億を超える人々がり患するでしょう。
死者も数百万人以上、悪ければ1000万人超、あるいはそれをはるかに超える恐れもぬぐえないと思います。
どうでしょうか。これを見て、「そんなに多くなるものか!」と思う人もいるかもしれません。では、どうしてこのような予想となったのか説明します。
医療崩壊は避けられない
TVなどで、海外の医師や看護師などが医療現場の過酷さを涙ながらに訴える様子が報道されています。国によりますが、現在感染拡大に直面している北側の先進国の多くで医療崩壊や、それに近い状況が起きています。
現状ではイタリア、スペインの医療崩壊がもっとも顕著です。病院の病床は全く足りず、この寒空の中、廊下やロビーに簡易ベッドを設置したり、病院以外の大きなスペースの確保できる建物(会議場や、ホール)にとりあえず置かれたベッドに患者が寝かされています。それも軽症者ばかりではなくICU(集中治療室)に入るべき重篤な患者が、このような場所に収容されています。
さらに、人工呼吸器やマスク、手袋といった物資も圧倒的に足りず、有効な治療が行えないどころか、治療にあたる医療者が感染発病、医療者の近親者に感染拡大が広まるなど、大変厳しい状況です。
例えて言うなら、大きな山のあちこちで火災が発生し、消防士が出動するも、消防車もホースも足りない。そもそも水(治療薬)がない。あちこちで延焼が止まらず、ついには消防士も炎に巻き込まれてしまう。
そして、1万人を超える多くの人々が新型コロナによる肺炎で亡くなりました。亡くなった人々については葬儀もできず、埋葬も進んでいません。
こんな悲惨な状態が、ヨーロッパの大国の現状なのです。まさに言葉通りの医療崩壊と言えます。
イタリアに関して言えば、医療技術は高く、医師数も人口比当たり日本のおよそ3倍と、医療水準は世界の中でも決して低くない国だそうです。
どうしてこのような国で医療崩壊が起きているのでしょうか。
医療者の多くは、最大の原因を感染者の拡大が急速すぎる点に見ています。平素であれば十分な医療体制であっても、そのキャパシティーを超える患者が殺到すれば、どうしても対処できません。
現在、明らかな医療崩壊が見られているのはイタリア、スペインの2国ですが、フランス、ベルギーなど、多くのヨーロッパ諸国や、さらにはアメリカも崩壊寸前の状況にあるのです。
一方の日本はと言えば、後で詳しく見ますが、かなりマシな方だと言えます。
本当の危機はアフリカで!
ここまで述べたことは多く報道されているところですので、情報としては馴染みのあるものでしょう。ただ、真実は人目につかないところに潜むと言われます。報道されない部分に事態の本質や重大事が隠されていることも往々にして多いものです。
報道されていない様々な事実の中で、私自身が最も危惧し注目をしているのが、アフリカ大陸での感染拡大状況です。
3月18日、アメリカの主要シンクタンク「戦略国際研究センター」のアフリカ問題政策部長デバーモント博士は、アフリカ諸国が新型コロナウィルスの感染拡大に直面しているとの論文を発表し、警鐘を鳴らしています。
実際にアフリカ大陸では3月18日時点で、25か国での感染者が明らかになっています。
ちなみにアフリカ大陸における感染者数は、3月19日時点で約250人。
これ、大変恐怖を感じる数字です。
25か国で250人。1か国平均10人程度。このような数字があり得るでしょうか。
実数を把握できていないことは、火を見るより明らかでしょう。
事実、この点について、エジンバラ大学医学部のスリダル教授(公衆衛生学)は、アフリカ大陸での医療体制や状況把握についての不備を強く指摘しています。
少し話が難しくなってきたかもしれません。
ざっくり言うと、
アフリカ大陸では、正確な数字が全く把握できていない、ということです。さらには、アフリカ大陸では水や石鹸などが不足、手洗いが習慣づいていない、医療設備や技術水準の低さ、衛生意識の低さなど、ウイルスにとって有利な条件がこれでもか!と数えあげることができます。
アフリカ大陸での感染の拡大は不可避であり、その規模は医療先進国であるアメリカやヨーロッパどころの騒ぎではないでしょう。
アフリカでの拡大が返ってくる?ウイルス変異の脅威
ここまで見ると、「アフリカは大変だなあ」と思われた人も多いでしょう。ただ、「まあ、アフリカは大変でも、アメリカやヨーロッパ、日本からは遠いし、医療もきちんとしているから大丈夫だろう」と思われる人もいるかもしれません。
ところが事態はそんなに易しくはありません。
ウイルスによる感染症の大きな脅威として「ウイルスの変異」が挙げられます。そして、この「ウイルスの変異」は感染拡大の中で非常に危険度が高くなります。
それもそのはず、「ウイルスの変異」は確率論なので、感染が少なければ変異も起こりづらいが、感染が多いと変異の確立も爆発的に大きくなるのです。
ちょうど、宝くじもたくさん買う程当たりやすいと言ったイメージです。
アフリカ大陸で感染が広まるのはほぼ確実で、これは変異という宝くじを大量に買っているのと同じ状況だと言えます。
さらに、宝くじには1等2等と当選金額が違いますが、ウイルス変異も人類にとっての危険度という意味で、様々幅広くあります。
変異によって起こりそうなのが、人間の免疫に対する耐性、抗生物質やワクチンに対する耐性、感染力の強化などです。
これらが起こると、1度かかって免疫を得た人にも再度感染する、効果的な新薬を開発しても効かなくなるなどが起こります。
現に、元々のコロナウイルスは種を超えては感染しませんでした。豚から人、人から鳥といった感染は起こらなかったのです。ところが、今では人からネコへの感染が報告されました。ついに、ウイルスが種を超えて感染する能力を獲得してしまったのです。
もし(というかほぼ確実ですが)アフリカで感染が爆発したら、アフリカで修業し鍛えられたウイルスが日本をはじめ、世界各国に帰ってきます。例えば1年後、「コロナウイルスがうまく収束して良かった」と言っている先進国に、思いもよらない強大な侵略者が襲いかかることになるのです。
人類の最大の敵はウイルス?
ちょっと、ショッキングな話、あるいは荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、人類はいつの日か必ず絶滅します。
これは人が必ず死ぬということと同じことです。
様々な分野の科学者たちにより絶滅のシナリオについても研究がされています。可能性として高いものとして、小惑星の衝突とウイルスや細菌が2大要因とされているようです。ちなみに核戦争については、あまり絶滅としては危険視されていません。核攻撃は、相手を絶滅させることはできても、攻撃側や、辺境に住む人は生き残る可能性が高いと見られているためです。
さて、それにしても人類を絶滅させる原因というのがたった2つしかなく、その1つに現在直面しているというのは、なんという災難でしょうか。奇跡的な悲劇とも言えますが、実はこれまでも人類は何度も病原体の厳しい攻撃にされされた歴史を持っています。
ペスト
別名、黒死病とも呼ばれています。感染すると40℃もの高熱が発生し、全身が黒く腫れあがり数日のうちに死亡すると言われています。過去何度か大規模な感染が人類を襲いました。中でも14世紀にアジアからヨーロッパに持ち込まれたペストにより、1億人を超える人々が亡くなったそうです。これにより、イングランドやイタリアでは人口の8割が死亡、多くの町や村が壊滅したとも言われています。
現在では医学の進歩により、ある程度の封じ込めに成功しています。
スペインかぜ
1918年、ヨーロッパ、アメリカで爆発的に拡大したインフルエンザウイルスによるパンデミックです。約5億人が感染し、少なくとも数千万人、一説には1億人を超える死者が出たとも言われています。
この、大流行の陰には一つの人為的なミスがありました。
当時は第一次世界大戦中で、ヨーロッパの交戦国は士気を維持するため感染の被害を隠したり少なく発表したりしていました。中立国であるスペインのみ正確に発表したため、人々はスペインだけで流行しているという誤った印象を受け、これにより「スペインかぜ」という呼ばれ方が定着しました。
しかし、正確な情報を隠蔽した国々では、有効な対策も取られず感染拡大の爆発をもたらしたと言われています。
現在のコロナ危機も、このような情報の隠蔽(とまでは言わないまでも、情報操作、方向付け)による印象操作は行われているかも知れません。
特に、中国では感染拡大が収まったような政府発表がありますが、多くの医師や研究者はこれに疑いを持っています。
正確な情報が出なければ、状況は悪化の一途をたどらざるを得ないでしょう。
②に続く
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